エチレングリコール中毒 | 札幌市清田区の動物病院 すぎうらペットクリニック

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エチレングリコール中毒

エチレングリコール中毒というのをご存知ですか?

エチレングリコールは車のエンジンの冷却液や、ジェルタイプの保冷剤に使われることもある成分です。甘みがあるらしく、犬や猫が舐めてしまうことがあります。エチレングリコールは体内に入るとネコでは約5~10cc、イヌでも体重当たり5ccほどでひどい中毒を起こします。エチレングリコールが肝臓で代謝されて有害な物質に変わり、腎不全や神経症状を起こします。症状が出ても摂取したことがわからないと原因がはっきり分からないことも多く、分かってもなかなか有効な治療法がありません。

人でも命を失うほどの強い毒性があるにも関わらず、身近な保冷剤に使われているのが怖いところです。昔は車の不凍液をなめて・・・ということが多かったようですが、現代の車では「自宅で不凍液を確認して補充する」という作業自体をすることはほとんど無いでしょうから、不凍液が原因による事故は見たことがありません。しかし逆に保冷剤はいろいろな機会に見ることがあり、身近にある「安全なもの」というイメージが強いのではないでしょうか。

保冷剤を見ると「食べてはいけません」と書いてあるものが多いですが、こうしたものの中にはエチレングリコールが含まれている可能性が高いと考えておいたほうがいいでしょう(すべての保冷剤にエチレングリコールが使われているわけではありません)。

暑い時期は保冷剤を犬の身につけたり置いたりすることもあると思いますが、間違っても袋を破って口にしたりしないように、目を離すときには置かないようにするなど注意してください。

 

口にしてしまったことが疑われる場合、まずはすぐに吐かせることです。一度体に吸収されてしまうと救命できる確率がかなり下がりますので、吸収させないことです。実際の症状は・・・

1.30分〜12時間で、嘔吐や元気消失、神経症状、多飲多尿などがみられ、

2.12〜24時間で呼吸や脈が早くなり、

3.半日〜一日以上経過してから腎不全を起こして高率に死亡してしまいます

症状が出始めてからでは救命率が低く、特に3の段階まで行くと治療を尽くしても難しい場合が多くなります。

 

保冷剤の危険については知らない方も多いので、まずは「危険なんだ」ということを広く知ってもらうことができればと思います。

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