異物反応性肉芽腫 | すぎうらペットクリニック

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異物反応性肉芽腫

肉芽腫とは、簡単に言うと炎症反応により起こるしこりのこと。いろいろな理由で起こるのですが、動物病院で時々遭遇するものに「異物反応性肉芽腫」というものがあります。

これは、その名の通り「異物に反応して起こる炎症によってできるしこり」です。

 

体内に侵入した異物によって引き起こされ、例えば刺さった棘などが原因の場合もあるのですが、動物病院で時々問題になる物の中には病院での処置に起因する物もあります。

 

避妊手術や去勢手術、その他手術全般行う際には、出血を止めたり、切ったところを縫ったりするために特殊な機器や縫合糸が使われます。

手術用の糸にもいろいろな物があり、一昔前は問題無く使われていたものが実は時間がたって体の中で肉芽腫を作って問題を起こしたりするといったことがまれにありました。特に「絹糸」と呼ばれる糸は使い勝手が良くて多用されていたらしく、それによる炎症反応や肉芽腫が話題になった時期がありました。その後こうした問題から絹糸を体内に残すような形で使うことは今はほとんどなくなり、一時期よりもこうした問題が減ってはいるようです。しかし実際には絹糸が悪いだけではなく、人医療で使われている縫合糸でも同じ問題が起こることもありますし、縫合糸を使わずに超音波やレーザーといった最新の装置を用いて手術をしても同様の問題が起こることが分かっています。そのため昔は「縫合糸反応性肉芽腫」と呼ばれたりもしていましたが、今は「異物反応性肉芽腫」という名前が用いられるようになっています。

 

これらの問題を完全に避けることはできませんが、かと言って手術を一切しないということはできませんし、去勢手術や避妊手術をしないほうが将来的な病気のリスクが高くなってしまいます。我々にできることは最低限の侵襲で、できるだけ組織に負担をかけないようにして、考えられる最低限の反応性の糸を使い手術をすることで反応をできるだけ起こさないようにしてあげること。それでも反応が起きてしまったときには、できるだけ原因を早く突き止めて治療をしてあげることになります。

 

こうした細かい工夫や努力はなかなかご家族にみていただくことができないのが残念ですが、そのために細かい理論の追求や技術の習得、より高い手術材料の選択などが行われていて、それが手術料などに反映されていることをご理解いただければ幸いです。

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