土曜日にお休みをいただいて、週末に日本小動物がん学会に参加しています。
もともとこの学会はがん研究会と言う集まりでした。当時からがんの治療に興味があって本州で行われるこの研究会に参加してきました。途中で学会になり、規模も大きくなりましたが、今でも犬や猫のがん治療の勉強の場になっています。
がんの治療には外科治療、放射線治療と並んで抗がん剤治療がありますが、その中でも抗がん剤治療は、がんの種類によってはとても有効な治療です。ただ、副作用があるなど使い方にはとても注意が必要な薬です。きちんとがんの診断をすること、正しい抗がん剤の使い方を知り適切な使用すること、これらのルールが守れなければ、逆に害になるものでもあります。
抗がん剤そのものは動物病院であればどこでも入手できるため、あまり使い方をきちんと考えなくても投与することそのものができてしまいます。最大限の効果を発揮し、最小限の副作用で、副作用が出たときにきちんと対応できる準備をした上で使わなければならないお薬ですが、場合によっては気軽に投与されてしまっている場合もあります。
抗がん剤が何に効いて何に効かないか、どのようなメリットを求めて投与するのかなど、ご家族がきちんと理解した上で初めて使用ができるものです。逆に、きちんとした説明がないまま、抗がん剤治療で良い結果が期待できるのに残念ながら治療が受けられないままになっていることもあります。少しでもがんの犬猫が長くご家族と過ごせるように、できるだけ良い方法を模索したいと思います。