本日来院されたAちゃんのご家族との会話
Q.半年に一度血液検査をしていたら、がんやその他の病気が分かりますか？
A.残念ながら血液検査でわかるのは、あくまで検査項目上の変化です。血液検査では検査できない臓器（例えば胃や腸など）はそもそも血液検査で判断することが難しいですし、血液検査で項目のある臓器でも、血液検査に異常のでない変化もあります。
ちなみに、「腫瘍マーカー」と呼ばれる検査項目もありますが、ヒトでは「前立腺癌の腫瘍マーカー」などとターゲットを絞ったものがありますが、犬や猫ではそうしたマーカーはありません。
じゃあ、どうすれば病的な変化を早く見つけてあげられるでしょうか。
今日Aちゃんのご家族にお勧めしたのは、こまめに体重を測定すること。Aちゃんは幸い日々の食生活はほぼ一定で、運動量もある程度同じ状態で普段の生活をしているので、ちゃんと摂取カロリーの管理ができていれば体重は一定をキープできるはずです。がんに限らず多くの病気では「体重が減る」のが最初の指標になるので、週１回程度体重を測定することができれば、初期の体重減少を見つけることができる可能性が高いです。
体重が5〜10％変動しても、被毛のある犬や猫ではなかなか気付いてあげられないのではないでしょうか。ちゃんと測ってあげていれば、そうした変化に早く気付いてあげられます。「なぜ変化したのか」はそれから調べる必要がありますが、異常を捕らえる方法としては簡単で確実です。
