野生動物は歯周病にならない! | 札幌市清田区の動物病院 すぎうらペットクリニック

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野生動物は歯周病にならない!

子供が読んでいる新聞を横目で見ていたら
「野生動物には歯周病がない」のだそうです。

歯周病は犬ではよく見る病気で、1歳をすぎると8割位の子に歯周病が起きていると感じます。
一般的な歯槽膿漏のような「歯がグラグラしている」「口が痛い」というのはその末期状態で、そうなるまでには「歯茎の縁が赤くなって」「歯茎が下がってきて」「顎の骨がダメージを受けて」・・・と早ければ数ヶ月、長ければ数年かけて進行をしていきます。

なので、ご家族が認識されて「歯周病を診察してほしい」と来院されるのは10歳くらいとかなり高齢になってからのことが多いのですが、1〜2ヶ月毎の定期健診をお受けになられている方に私が「歯周病が始まっていますよ」とご説明するのは2歳位のことも多く、「多いのになかなか認識されづらい病気」なのだと感じています。

でも、10歳になってご家族が認識されてお連れになられたときには、多くの場合が重症になりすぎて「歯を抜く」ことしかできなくなってしまっています。本当は「歯を抜かなくてもいいような管理をもっと早くからしておく」ことが大切なのですが・・・

で、その歯周病。
野生動物にはないのだそうです。ただ、動物園などで「飼われている野生動物」には歯周病があるのだそうです。

唾液を介して歯周病が伝染ることは分かっていて、子供に口移しやじかばしで食べ物をあげないようにと言われていますし、同じ家で水飲みや食器を共有している犬がみんな同程度の歯周病ということもよくあります。

その新聞記事では、本来歯周病菌がいないアシカでも、動物園のアシカの口の中には歯周病菌がいることが分かったそうです。また他の動物でもそういう事があるかどうか、現在調査中なのだそうです。野生動物の口の中の検査をするのは大変だと思いますが、何かの拍子に人間から歯周病菌をうつしているとしたら、何らかの対策を考えなければならないでしょうし、場合によっては動物から人間に歯周病菌が伝染るということも考えて置かなければなりません。野生動物では歯の治療や歯磨きも犬や猫よりずっと大変でしょうし、歯を抜いたら食事に困ることもあるでしょうからね・・・。

犬や猫に顔や口の周りをなめさせるということにも注意が必要ですね。

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