先日来院した犬。
お腹のレントゲンをとると何やら見慣れないものが写っています。
これ、膀胱の中にできた結石でした。体重6kgくらいの子ですが、ここまでの大きさと数のものは久しぶりに見ました。
膀胱内の結石はミネラル分の塊です。体質的にできやすい子がいるほか、食事内容や膀胱炎などの疾患からできやすくなることもあります。
結石があるだけでは症状からの判断が難しいことも多いですが、結石が膀胱表面に刺激になると膀胱炎を起こして排尿回数が増えたり、結石が尿路に詰まると排尿したいのに出ないという状態になったりします。またこの大きさの結石であれば膀胱表面に慢性的に刺激になることで、膀胱の壁が腫れて膀胱の伸縮性に問題が出てしまうこともあります。膀胱の伸縮性に問題が出ると排尿時にきちんと膀胱をからにするとか、蓄尿時にしっかりたくさんの尿を溜めることができなくなってしまいます。この状態は短時間であれば可逆的なことが多いですが、長時間続くと不可逆的になり、結石を取り除いた後も膀胱の機能の低下が続くことになってしまいます。
膀胱炎症状が出る前に見つけるにはレントゲン検査や超音波検査が適しています。
この子は手術で膀胱から石を摘出しました。
手術後は石がなくなってスッキリ(腸の中には何か別のものが写ってますが・・・)
膀胱結石は手術で取り除いてもまたできることが多く、できると手術が必要になります。
摘出した結石の成分を分析し、できるだけ予防できる方法を考える必要があります。