歯周病疾患もよく相談を受けます。
「口が臭い」と病院を受診されるこのほとんどが重度の歯周病にすでに陥ってしまっています。人間のように毎日歯磨きをする習慣があると歯や歯茎は健康に保ちやすいですが、そうしたことをしていない子のほとんどは3歳を過ぎたらもう歯周病が始まっています。
始まってしまった歯周病は急に歯磨きをしても治りませんし、それまで歯磨きの習慣のなかった子がそれから毎日きちんとした歯磨きをしてもらえるのもなかなか難しいです。「口が臭い」と病院を受診して「麻酔をかけての処置が必要です」と言われると驚かれることが多いですが、10歳、15歳になったときにもきちんとした口腔内環境を整えておくためには、ほどんどの子で一生の間に2〜3回程度の適切な病院でのケアが必要です。
トリミングやときには動物病院でも「無麻酔で歯石を取る」という行為が行われている場合もありますが、それはあくまで「見えているところの歯石を除去する」という審美的な処置で、歯を長持ちさせるためのものではありません。
ご自宅で歯磨きができない子であれば1〜2年に一度の病院でのケアということがほとんどです。歯周病が進むと各種疾患のもとになりますし、年をとってものが食べられないなどの問題がでてしまいますから、そこまで考えてきちんとしたケアをしてあげるようにしましょう。