犬のワクチンにはたくさんの種類がありますが、すべての犬にすべてのワクチンが必要ではありません。ワクチンには「すべての犬が接種した方がいいもの(=コアワクチン)」と、「必要に応じて接種するかどうか選択した方がいいもの(=ノンコアワクチン)」があります。
コアワクチンには、感染の可能性が比較的高く、感染したときに命にかかわる病気に対するものになります。狂犬病ウイルスや犬ジステンパー、パルボ、伝染性肝炎に対するワクチンです。
ノンコアワクチンには犬パラインフルエンザウイルスやコロナウイルスのように特別な条件でなければ必要ないもの、レプトスピラのように感染リスクのある場所に行かないのであれば不要なものなどがあります。
これらのワクチンの分類については、(世界小動物獣医師会)WASAVAという団体の著名な獣医師(日本人も含まれる)が推奨される基準を発表しています。
これらのワクチンは、ほとんどが「混合ワクチン」として、幾つかのメーカーから様々な組み合わせ・・・厳密には同じウイルスに対するワクチンでもメーカーごとに違いがある・・・のものが販売されていて、動物病院ごと、あるいは獣医師ごとにその中から病院周囲の病気の発生状況に合わせて、ワクチンを選択して接種しています。
うちの子にどのワクチンがいいのか・・・昔は「全部入っているのが安心」ということで一番たくさん入っているものを選択される方が多かったような印象ですが、現在では上記のようにご説明して、生活環境に合わせてワクチンを選んでいただくようにしています。
「ワクチン」にもいろいろあることを知っていただき、最適なものを選んであげて下さい。