立ち耳のスコティッシュ・フォールド | 札幌市清田区の動物病院 すぎうらペットクリニック

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立ち耳のスコティッシュ・フォールド

スコティッシュ・フォールドという種類の猫がいて、最近人気があるようで来院が増えています。この猫の特徴は耳が小さく折れ曲がっていて顔がまあるいこと。それが気に入って家族に迎える人も多いようです。

 

この耳。耳の中には軟骨が入っていて、通常は三角形のいわゆる猫の耳の形をしています。しかしスコティッシュ・フォールドでは軟骨の異常を起こす遺伝を強く残すようにして、あの特徴的な耳の形を作り出しています。耳の形を作る(=軟骨の異常を作る)遺伝子は優性遺伝ですが、生まれてくるすべての子供の耳が垂れるような組み合わせで交配をすると軟骨の異常が強く出過ぎて様々な問題が生じます。

当院に来院するスコティッシュ・フォールドの中にも、足の関節が固まって動かなくなってしまっていたり、鼻の奥の軟骨の変形がひどくていつも鼻づまりの状態でときには鼻血が出てしまったりする子がいます。症状が出たときにはかなり進行していることがほとんどで、対症療法しかできません。

こうした軟骨の変形の遺伝子は比較的研究が進んでいて、今では「垂れ耳同士の掛け合わせをしない」ことで軟骨の変形が比較的軽度で済むことが分かっていて、よほどひどいブリーダーや知識のない個人の家での繁殖を除いてはそれほどひどい軟骨の変形をみることは少なくなりました。その代わりにペットショップで「スコティッシュ・フォールド」と書いてあるのに耳がたれていないネコちゃんをよく見るようになりました。こうしたネコちゃんを迎えた方から「いつになったら耳が垂れるのですか?」と聞かれたこともありますが、最初に垂れていなければ一生垂れることはありません(これは迎える前にきちんと説明を受けておいていただきたい部分でした・・・)。

 

軟骨の異常は見た目だけではわからないことも多いものです。猫では明らかに足を引きずったり痛がったりすることは少なく、病院での身体検査で見つかることも多く、「◯☓と言った症状がありませんか?」とお伺いしてようやく「そう言えば・・・」と症状が明らかになる場合もあります。

 

痛そうにみえなくても実際には痛みを長期間抱えて生活している場合もあり、お薬で痛みを軽減できる場合もあります。犬と違って猫はなかなか家から外に出す機会がなく動物病院へ行く機会も少ないと思いますが、ワクチン接種だけでなく普段の健康診断をきちんとしてあげることで猫の生活の質も向上することができます。

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