以前、学会で｢キシリトールで低血糖を起こす｣という症例発表がなされていました。
人間のキシリトール入りガムを食べた犬が低血糖で危険な状態に・・・という内容でした。
キシリトールは血糖値をあげない甘味料ですが、インシュリンの分泌を促進するため低血糖が生じるようです。
低血糖はひどいと発作などの神経症状を起こします。場合によっては命にかかわるので要注意。
キシリトールと言えば、他にも｢キシリトールで重大な肝障害を起こす｣という発表もありました。
死に至るような重度の肝障害が起こる例が犬であるようです。
いずれにしても、キシリトールを食べることにはメリットはなさそう・・・というよりやめた方がよさそうです。
キシリトールガムはよくカバンに入れて持ち歩いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。何かの拍子に犬がカバンの中から見つけて食べちゃう・・・ということが時々あります。ご注意くださいね。
犬の口腔内疾患に詳しい先生の話では、キシリトールは歯の表面の汚れを取ることを期待して使用するものだそうで、口の中に食物が入っていない状態で歯の表面にかけたり拭いたりすればそれなりの効果が期待できるが、食べ物と一緒に口の中に入ったり、食べることではほとんど期待するような歯の健康状態を守るような効果はないとのこと。実際犬ならよほど固くて大きいものじゃなければほとんど一瞬で胃袋の中に入っちゃいますよね。
人間の方で｢体にいい｣というようなものがあるとすぐ犬・猫用の同じようなものが発売されます(しかもいろんな種類のものが)。人間の体によくても犬・猫の体にいいとは限りません。よく見極めてから使用してくださいね。
