犬や猫が長生きするようになって、「がん」で亡くなる子が増えるようになりました。
「がん」の犬や猫を見るたびに、なんとか少しでも辛くなく長く行きれるようにならないかと思い、「日本小動物がん研究会」という研究会に所属して認定医資格も取りました。今はその研究会も「日本小動物がん学会」という学会になりました。年に何度か学会に参加して新しい情報を取り入れるようにしています。
犬や猫にも様々な「がん」があり、体のどこにでも「がん」ができます。
ただし、しこりのすべてが「がん」ではないため、それが「がん」なのか「がんじゃない」のか、「がん」だったらどういう「がん」なのか、それを調べるのが最初。できている場所にもよりますが、レントゲン検査や超音波検査で形や位置、大きさなどをチェックしたり、細い針で中身を取る「針生検」で中身を調べたり、手術をして切り取る「組織生検」で確定診断をしたりして正体を突き止めます。
正体がわかっても、「がん」の成長や広がりは二つとして同じものはないため、その子その子に合わせて最適な治療を考える必要があります。場合によっては「治療をしない」のが最良の選択の場合もあるので、治療の選択に際してはご家族とよく相談する必要があります。ご家族にも、家族全員が納得して治療を選択してもらえるようにお願いしています。
「がん」は嫌な病気ですが、きちんと理解して付き合うことができれば不幸なことばかりではありません。見て見ないふりをしたり、してあげられることがあるのに諦めてしまっていよいよ取り返しのつかない段階まで進んでから色々しようと思ってもなかなか難しいものです。
大切な小さな家族である犬や猫のために、きちんとした知識を持って「がん」と戦いましょう。