血管肉腫 | 札幌市清田区の動物病院 すぎうらペットクリニック

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血管肉腫

血管肉腫はその名の通り「血管にできるがん」。

最も多いのはおなかの中の脾臓という臓器にしこりとして見つかるもの。

昔は「急に具合が悪くなって・・・」と病院に来た犬のお腹の中が血液でパンパン・・・調べてみると脾臓にしこりがあって・・・というのが多かったのですが、最近は健診の段階で超音波検査をすることが多く、まだ小さい段階で脾臓にしこりが見つかることが増えてきました。脾臓のしこりはこの血管肉腫の他にもいろいろな良性・悪性の腫瘍や腫瘍以外のしこりができやすいのですが、小さくて特に問題を起こしていない場合でもいずれ大きくなって破裂するといったリスクが高いため、あまり様子を見すぎずに手術で脾臓ごと摘出してしまうことが多いです。

脾臓を摘出すると、それを組織検査することで悪性腫瘍かそうじゃないかが分かる場合がほとんどで、悪性腫瘍(血管肉腫も含む)の場合は抗がん剤など追加の治療を必要とする場合がほとんどです。血管肉腫は脾臓にできるしこりの中でも最も嫌なものの一つで、手術で摘出しても多くの場合は数カ月のうちに体のいろいろなところで悪さをして命を脅かします。

 

この血管肉腫は、「血管にできる」がんというだけあって、脾臓の他にもいろいろな場所で悪さをします。

 

ダックスフントのRちゃんは、室内でいつも通りごはんねだっている時に急に足を痛がりだして、病院へ連れてったところ大腿骨の骨折が見つかりました。落ちたりしたわけでもないのになぜ・・・と調べていくと、大腿骨に血管肉腫が存在することがわかりました。少しすると皮膚にしこりができて傷ついて血が止まらなくなってしまい、局所の治療とともに抗がん剤の投与を行いましたが、最終的に脾臓にもしこりができてしまいました。

 

ジャックラッセルテリアのLちゃんは首の皮膚の下のしこりが大きくなってきて、調べてみると血管肉腫でした。皮膚の下のものがどんどん大きくなってきて息苦しくなったり物が食べられなくなり、ステロイドの投与と皮下補液などで頑張りましたが、やはり時間がたつと脾臓にしこりができました。

 

この二人は同じ時期に病気が見つかり、進行して行くのも同じ時期、最後も同じような時期でした。同じ病気でもぜんぜん違う症状で来院したのに、進行するに連れて似たような症状になっていき、闘病期間もほぼ同じでした。血管肉腫は手をつくしてもなかなか長生きすることが難しい怖い病気です。獣医学の進歩とともにいい治療が見つかることが期待されます。

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