雌犬の不妊手術について | 札幌市清田区の動物病院 すぎうらペットクリニック

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雌犬の不妊手術について

お家に新しい犬を迎えた場合、最初はバタバタしていると思いますが、各種予防に必要なことをし終わった頃に気になるのは「不妊手術」。いつしたらいいのか、家に来たばかりなのにもう必要なの? といったお話を聞くことが多いのですが、不妊手術をおすすめするタイミングにはちゃんと理由があります。今回は女の子の不妊手術についてまとめます。

 

全身麻酔をして手術をするというのはとても大変なことですよね。でも、その子の健康管理を考える上で、今目の前の不妊手術のことを考えるだけではなく、一生を通して少しでも健康に過ごすため何が必要かを考える必要があります。

 

女の子の不妊手術をした方がいい理由には、1.発情が来なくなることでストレス(精神的にも、肉体的にも、家族としても)を減らすことができる、2.子宮の病気の予防になる、3.乳腺腫瘍の予防になる といったことが主に挙げられます。

1.発情は生後6〜7ヶ月位からはじまることが多く、子供を取る予定が全くなければ、発情そのものが犬のストレスと言われているため少しでも回数が少ないうちに手術をするのがいいでしょう。また発情前の発情出血の段階では犬の体や室内を汚しますし、その後に発情が始まると去勢していない雄犬を刺激してしまうため、お散歩やトリミングなど、他の犬がいるところへ行くときには注意しなければならないことになります。こうした発情に伴う煩わしさも手術によりなくすことができます。

2.子宮の病気で最も恐ろしい子宮蓄膿症は、発情を繰り返すことで子宮粘膜が徐々に変化して比較的高齢になってから細菌感染を起こすことで起こります。当院の不妊手術では卵巣と子宮の摘出をおこないます。これにより子宮の病気も予防することができます。

3.乳腺腫瘍の予防について、これが「早く避妊手術をした方がいい」と言われる理由です。乳腺腫瘍は発情回数が少ないほど予防できると言われており、3〜4回発情がきた後だと不妊手術をしても予防効果が期待できなくなります。不妊手術をしない場合と比べて、1回目の発情の前までに手術を行うと発生率を1/50に、2回目の発情の前だと1/3になり、その後はそれほど期待できないとされています(報告によりデータに少し差があります)。ですから、発情が来る前の生後半年程度で手術をするのと、一般的には一度発情が来てからの1歳頃では大きな差があることになります。もちろん乳腺腫瘍自体が必ずなる病気ではありませんが、なってしまえば手術が必要になったり、命に関わったりすることのある病気ですから、少しでも予防できる可能性が高いのであればやはり早く不妊手術をした方がいいと私は考えています。

手術をしない理由が「なんか可愛そう」ということであれば、上記も踏まえて一生涯の健康管理として考えて「やはり今ではない」と考えられればそれでいいと思います。将来「もっと早くやっておけばよかった」と後悔するのであれば、後悔しないように先手を打っておけばいいと思います。

また、麻酔が恐いというお話もよく聞きますが、少なくとも生後半年たっていれば、1歳と比べて全身麻酔が危険であるとか、手術の負担が大きいとか、そういったことはありません(もちろん健康状態をきちんと確認した上であればという意味です)。

 

犬が家族として迎えられた時点で早い子でも生後3ヶ月程度になっています。そこから初回の発情までは早い子で3ヶ月程度。「どうしようかなぁ」と考えているうちに発情が来てしまいます。お家に迎えるときからこういうことまで考えておいてあげられるといいですね。

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