今日は休診日でしたが、朝から晩まで獣医師会主催の勉強会に参加してきました。
その中に、猫の心臓病の話が出ていました。猫の心臓病では圧倒的に「肥大型心筋症」という病気が多いのですが、その中で「症状を出して病院に来る」こはほとんどいません。心筋症は初期にはほとんど症状が見られず、進行して末期状態になると初めて症状が出るためです。
また、ワクチン接種や爪切りに病院に来院された際に、「心雑音」が聴取されたり、気になる咳や呼吸が見られたりして詳しい検査をおすすめしても、家で特に症状がなく過ごしているとなかなか実際に検査を受けてみたいと思っていただけません。
猫の心臓病の症状は「寝ていることが増える」「あまり動かない」といったもので、「歳をとったから」の症状と考えられて気にしてもらえることが少ないのです。進行するとなにかの表紙に開口呼吸をしたり、咳をしたりといった症状が見られますが、それはかなりの末期になってしまっています。
今日のセミナーの資料の中に、次のようなものがありました。
猫では見た目に何も症状がない場合でも、9歳以上では3頭に1頭、3歳以上では5頭に1頭、そして6〜12ヶ月の若い猫でも20頭に1頭の割合で肥大型心筋症が見られるということでした。
猫の心臓病は身体検査や心臓の聴診だけでは診断できる確率が低いため、超音波検査で心臓の動きや構造を調べたり、特殊な血液検査で異常な数値が出ないかどうかを調べたりします。心臓病は手術で治るものは少ないし、できるだけ速く見つけて治療を開始するのが、元気で長生きの秘訣です。私達は「見た目に健康」な猫ちゃんの中から、何らかの異常を見つけ、ご家族にできるだけ噛み砕いてご説明し、その猫ちゃんがきちんとした検査と必要に応じた治療を受けることができるようにすることです。