超小型犬のPちゃんの歯石取り。
Pちゃんは毎日ご自宅で頑張って歯磨きをしてもらっていて、口の中を見るととってもきれい。臭いもそれほどしません。それでも少しずつ歯石がついてきていること、歯磨きをすると値がつくことがあるということから、口の中の詳しい検査と歯石取りのために来院されました。
右の写真は処置前ですが、通常見える範囲の歯や歯茎はとてもきれいです。
来院時、下顎の裏側は歯石がついているのが少し見えていましたが、全身麻酔で舌をよけて見てみると結構な歯石の付着があるのが見えます。
表側がとってもきれいなのは、歯磨きをしていた効果だったようですね。
口の中の検査のために、歯と顎の骨のレントゲン写真を取りました・・・。すると下顎の大きな葉の根本は骨が吸収されて黒く抜けたようになっています。下顎の歯は薄く脆いのですが、歯の根元部分はほんとにペラペラになってしまっていて、ここに無理がかかると折れてしまう危険があります。
この部分は外側から見ていても根本の状態が全くわかりませんでした。レントゲンを撮らないと歯根の状態はわからず、きちんと評価をするのが難しいですね。
人間は麻酔なしでもこうした検査ができるのでいいのですが、犬や猫では麻酔をして初めてこうした検査・治療ができます。それでもちゃんとした評価をすることで、将来の顎の骨折などの問題を未然に防ぐことができます。
時々「無麻酔での歯石取り」をうたっていることがありますが、この状態の顎に無理に力を加えるとそれだけで折れてしまいます。きちんとした検査、それに基づいた治療や予防のためには、麻酔が重要だということがお分かりいただけるでしょうか。
犬が長生きをするようになって、歯周病によるトラブルが増えました。歯を健康に保つことが、結果的には元気で長生きするために必要です。みなさんも愛犬の口の中をきちんと確認してみてくださいね。