先日は肛門周囲腺腫について少し書きましたが、同様に去勢手術をしていない雄犬に見られる病気の一つに前立腺肥大です。
去勢していない高齢犬に多く、生殖器の一部である前立腺が大きくなってしまう病気です。原因ははっきりわかっていませんが、ホルモンバランスが崩れることが原因だと言われています。
犬では前立腺が外向きに大きくなっていくため、排尿障害や尿もれといった異常よりも「便秘」「便の形が細くなる/平べったくなる」といった症状がみられます。排便時にぐるぐる回ってなかなか便が出ないといった症状が見られたら要注意です。
放置すると腸や会陰部の筋肉に負担がかかって「会陰ヘルニア」を起こす原因にもなるので、適切に対応してあげないと大手術が必要になってしまいます。
また、前立腺に嚢胞ができたり、前立腺が炎症を起こしたりすると泌尿器系の症状が出る原因にもなります。痛みが強かったり、排尿障害が出たり、重度の場合は命にかかわることもあるため、初期の段階で見つけて適切な治療をする必要があります。
去勢しないまま中年期〜老年期を迎えた子では注意が必要です。