猫の慢性口内炎と言う病気があります。歯茎やその周囲が腫れて痛くなり、よだれが出たり匂いがしたりひどいとご飯が食べられなくなります。
この病気は、家庭で単独で過ごしている猫よりも、複数の猫が居る家の方が多いと言う発表がありました。
もともとこの病気はいろいろな原因が考えられているのですが、あまりはっきりわかっていないこともある病気です。ただ、その原因の1つには猫白血病、猫エイズ、カリシウィルス感染症などのウイルス性の疾患があると考えられています。
感染症であれば、複数の猫が集団で生活している方が感染リスクが高く、そうした環境でこの病気が多いと言うのも納得のいく話です。
このほか、外で生活していた猫ちゃんやペットショップやブリーダーの所でウィルスが蔓延していれば子猫の家からこうしたウイルス疾患を持ってしまっていることもあります。逆に、おとなになってから出入り自由な生活をしていると、他の猫にウイルス疾患をもらってしまうこともあるということになります。
残念ながら大元のウィルス疾患を治すことができないことが多く、口内炎の対症療法することが解決法になります。それでも内科治療による痛みのコントロールが難しく、最もよく使われるステロイド剤では、薬による副作用もよく見られることから、最終的には根本治療に近い形で炎症を起こしている歯肉の部位の歯を抜くということが行われます。多くの場合歯肉炎は口の中の全体、少なくとも左右の横から奥の端に起きます。ですから、歯を抜くといっても一本の問題ではなく、半分以上場合によってはすべての歯を抜くことになります。
根本にあるウィルス疾患が改善するわけではありませんが、慢性口内炎の多くはこの処置で症状が改善し、うまくいけばお薬がなく、そうじゃなくてもおくすりの量を減らすことができて日常生活が送れるようになります。
口が痛くてご飯を食べられないのは辛いですし、毛づくろいができなくなったり、ひどい講習に悩まされたりします。それがなくなると、猫もご家族もとても幸せそうです。
猫ちゃんの口の中を覗いてみてください。何か異常が見えませんか?