麻酔と年齢 | 札幌市清田区の動物病院 すぎうらペットクリニック

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麻酔と年齢

犬の国内衛生の話を毎日のように診察で話ます。

そうするとよく言われるのは、今の年齢で全身麻酔をかけて口の中をきれいにする意味がありますか?と言うことです。

歯周病をご家族が気にされて来院されるのは、多くの場合10歳を過ぎてからです。そして、それまで歯磨きや麻酔下でのきちんとした口腔内の処置をされていない場合は、10歳を過ぎるとお口の中がすごいことになってることが多いです。

病院に入ってきた途端、その子の口の臭いで病院の中が全て同じ匂いになってしまう位です。

もちろんご自宅ではその子がご家族と一緒に寝ていたり、顔を舐めたりしているはずで、おそらく一緒に生活していると気にならなくなるのでしょう。ただし本来は犬の口の中はほとんど臭わないはずです。。

口の中の臭いの多くは、歯周病により口腔内の環境が悪化し、口の中で細菌が異常に増殖した状態です。そして口の中の細菌の量は、便の中よりも多いとさえ言われている位です。その細菌を、その子は毎日飲み込み、口の中で育て、その口で家の中を舐めたり人を舐めたりしているのです。そしてそれが365日何年も続くのです。

特に本人は深刻で、その細菌を飲み込んだり歯茎から細菌が体に侵入することで、心臓疾患や腎臓疾患など様々な病気になりますし、誤嚥性肺炎になれば命に関わります。健康そうに見えても血液検査をすると、体が慢性的に印象にさらされていたり最近と戦っていると言う検査結果が出ることも多いです。その状態で長く健康に過ごしてのはなかなか難しいことが多いです。

そうなってしまってから大掛かりな手術を高齢で内臓が悪い状態でするのは非常にリスクが高く、確かに口の中の処置をしている場合ではないと言うことも多々あります。

ですから、まだ症状が比較的軽く、問題が口の中だけにとどまっているうちにきちんと対処してあげることで、健康寿命伸ばすことができます。ただし口の中の場合、いちど処置をしてもう一生何も必要ないと言う事は残念ながらありません。そこをスタートとして毎日自宅でのホームケア(歯磨き)をきちんとしてあげないと、また数年で処置が必要な苦痛な状態になってしまいます。

実際に、10歳まで1度も処置をしたことがない子よりも、2年から3年に一塊きちんと全身麻酔下で口腔内の処置をしている子は、10歳過ぎてからの歯の状態がとても違います。

重度の歯周病から起こる感染症で命を落とすこもたくさんいるため、そうならないような早めの計画的な口腔内の管理はとても大切です。

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