肛門周囲腺腫 | 札幌市清田区の動物病院 すぎうらペットクリニック

肛門周囲腺腫 | すぎうらペットクリニック

011-887-4880
アクセスマップを見る

36号線と滝野御陵線の交差点から御陵線を南西に200m

Informationいぬとねこのための情報

肛門周囲腺腫

去勢をしていない雄の犬が歳をとると、いくつかの病気になりやすくなります。その中でも多くて苦労させられるのが肛門周囲にできる腫瘍です。

腫瘍そのものは良性腫瘍のことが多く、手術で摘出と同時に去勢手術をすれば再発のリスクもほとんどなく、命に関わるものではありません。

困るのは、高齢になってからなる事が非常に多いため、場合によっては全身麻酔ができないような他の病気を一緒に持っていることがあることや、若い頃に去勢手術をしない理由が家族の間にあった場合です。高齢になって病気だからと言って去勢手術そのものに抵抗感があるご家庭だと手術はしたくないと言う場合もあります。

また、心臓や腎臓が悪くなってくる年齢でもあるため、その状況によっては全身麻酔が難しいと言うこともあります。

肛門周囲腺腫は、初期は肛門の周りに触れる小さなしこり程度ですが、去勢手術をしない限り徐々に大きくなっていきます。そのうち床に座った際に擦れたり、気にして舐めたりして表面が傷つき、そこが化膿したり出血したりすると、家の中を汚して歩いたり、強いにおいがするようになったりしてここまで来て初めてご家族が事の深刻さに気づくことが多いです。

しこりができただけでは様子を見ようと思っていたのに、臭いがして人間が耐えられなくなったので何とかしてほしいと来院される場合もあります。そんな勝手な・・・と思うかもしれませんが、ひどいとその子が来院した後一日中病院の中から臭いが取れないくらいのすごい状況なので、一緒に生活しているご家族がどれだけ大変か・・・想像するとそうも言っていられません。

全身麻酔ができればそれほど大変では無い処置も、麻酔なしでできる事はどうしても限られてしまいます。

コッカースパニエルのMちゃんもしばらく前からお尻にしこりがありましたが、いよいよ大きくなって表面が自壊してしまいました。匂いを何とかしてほしいとのことで細菌感染のコントロールしたら一時的にはよかったのですが、やはりあくまでおおもとを直さないとまた繰り返してしまいます。

Mちゃんは以前から心臓が悪く、3年前に松ぼっくりを食べて腸閉塞を起こし手術が必要になった時も、麻酔の安定が悪くなかなか覚めずに苦労しました。それから3年経って心臓の状態もかなり悪化してしまっていますので、全身麻酔のリスクが高く危険を伴います。
なんとか局所的な治療で表面の傷を抑えたいと思っていますが、うまくいくかどうかは少し時間が経ってみないとわかりません。

いぬとねこのための情報一覧へ >