脾臓の手術 | 札幌市清田区の動物病院 すぎうらペットクリニック

脾臓の手術 | すぎうらペットクリニック

011-887-4880
アクセスマップを見る

36号線と滝野御陵線の交差点から御陵線を南西に200m

Informationいぬとねこのための情報

脾臓の手術

先日は柴犬Aちゃんの脾臓の摘出手術を行いました。

Aちゃんはもともとまぶたにしこりが見つかり、将来目を傷つけたりする恐れがあるために手術をする予定でした。歳をとってしこりが大きくなってからの手術は体への負担も大きいため、早めにと考えてのことでした。

Aちゃんを麻酔する前の検査をしたところ、脾臓にもしこりが見つかりました。犬の脾臓は血液をためておくタンクのようなところですが、様々なタイプの腫瘍ができやすい場所でもあります。その中で特に問題となるのは、血管肉腫という悪性腫瘍です。血管肉腫は脾臓にできやすいですが、脾臓だけにとどまらず全身にできる腫瘍なので、根治が難しいのです。

脾臓にしこりが見つかった場合、大きさや形その数を調べます。1つだけで小さい場合は少し様子を見て、そのしこりがどのぐらいのスピードで育つかをチェックすることも多いです。その上である程度大きかったり数が増えるような場合には、お腹の中で破裂して出血死をすることもあるので手術を検討します。

しかしそれが血管肉腫の場合、手術をしたからといって治るわけではないのが悩ましいところです。抗がん剤や様々な治療行っても1年は生きられないことが多いのです。そのため血管肉腫の場合は手術をするかどうか悩まれるご家族もいます。

今回Aちゃんの場合は、1ヵ月ほどあけての再検査でしこりの数や大きさが変わっていないため、血管肉腫の可能性は低いだろうと判断しました。ただしもともとしこりの大きさが2センチと、小柄な柴犬のAちゃんにしては大きなものだったため、今のうちに手術をすることになりました。

手術前の検査でそれ以外に異常が見つからなかったAちゃんは、幸い手術中も特に大きな問題はなく、脾臓とまぶたのしこりの両方をとることができました。今はとったしこりを病理組織検査に出して、悪いものではないのかどうかを確認しているところです。

手術が終わった後痛み止めが効いているためか少しおとなしかったAちゃんですが、その日の夜にはとても元気になりお散歩にも張り切って行ける位の状態になりました。お腹を切った手術の直後、人間はけっこう大変だと聞きますが、きちんと痛みを管理してあげると犬では比較的元気に歩けることが多いです。翌日には無事におうちに帰ることができました。

いぬとねこのための情報一覧へ >