身体検査は、体重測定をしたり、見たり触ったり匂いを嗅いだり音を聴いたりといったことをして体の状態を確認する検査です。
動物病院では、何か症状があって来た後はもちろんのこと、特に症状がなくても定期的な健診に来ている子や、爪切りなどのケアに来ている子に対してもこの身体検査を行います。
例えば体温1つとっても、自宅でリラックスしているときに37度台の体重の子が、病院に来ただけで緊張して38度5分位になるのは普通に見られることです。また病院に来るのにお散歩も兼ねて外歩いてくればそれだけ体温も高くなります。怖がりの子が病院に来てブルブル震えて緊張すると39度台まで上がることもあります。つまり、病院で測る体温はその子の普段の体温を反映していないこともたくさんあるのです。
でも、普段から健診やケアで病院に来ていると、元気な時に病院に来たその子の体温というのがデータとして蓄積されます。そのため、もし調子が悪いと言う時に病院に来たときの体温が普段と比べて高いのか低いのかといった判断がしやすくなります。
これは全てに関して言えることで、心拍数や呼吸数、体を触ったときの嫌がり方などに対しても、普段の状態と調子が悪い状態と比べることができるのです。もともと手を触っても嫌がらない子がある日急に嫌がるようになれば、手が痛いのかもしれません。でも初めて手を触らせてもらう子が嫌がった時に、それは触られたから嫌なのか痛くて嫌なのかを判断するのが難しいこともあります。
時に、身体検査に思わず時間がかかってしまったりするのも、気になった所見を詳しく調べたり前回との違いを確認したりしているということもあります。頭を撫でているように見えても、顔まわりの異常を探したりしている場合もあります。
動物病院に行って、例えば耳がかゆいと言っていたのに耳だけじゃなくてあちこちを触って、心臓の音を聞いてといるのを見たら、耳だけ見てはいおしまいではなく体の隅々まできちんとチェックをしてもらってるんだなと思って安心してください。耳だけ見てくれればいいのにと思わないでくださいね。