レントゲンは体の中の構造を映し出す便利な機械。多くの場合麻酔など体に負担のかかることをせずに胸の中やお腹の中、骨や歯を映し出してみることができます。
レントゲンのメリットは、外からわからないものが見えること。影絵のように、撮影した側から見えるものが白黒で表されます。一方向ではうまく見えないものもありますが、二方向、または三方向から撮影することで、体の中をイメージできます。
撮影するにあたり痛みもないので比較的負担が少なく行うことができますが、人間と違い自分でポーズをとって息を吸って止めて・・・ということはしてくれませんので、撮影したい部位や状況によって必要な向きやポーズに人間が保定して撮影を行います。最低限のルールとして、撮影部位には不要な部位や物を入れないこと。保定している人の手が入るということがあってはいけません。
小型犬や大人しい中型・大型犬では比較的負担が少ない検査ではありますが、触られたり抑えられることが嫌いな子やじっとできない大型犬は検査自体がなかなか大変です。
吐いたり下痢したりしている場合はお腹の中に何か異常がないかどうか、咳をしたり呼吸が苦しい時は心臓や肺の状態はどうか、足や腰を痛がる時には関節や骨の状態を確認するために、痛い場所のレントゲンと同時に反対の痛くない場所のレントゲンを撮って比較したりもします。体のどこにでも使えます。
また、健診として定期的なレントゲンを撮っておくと、体の変化を症状が出る前に見つけてあげることができます。
一年経過したら腰椎の変形が増えています。肝臓の大きさの変化も見て取れます。
レントゲンを撮るというと放射能を心配される方もいらっしゃいますが、日常生活でも微量の放射能を浴びていることを考えても検査で浴びるレントゲンが大きな問題になるとは考えにくいものです。
当院が開院した2001年には、レントゲンといえば現像するために機械を用意して、取ったフィルムを現像するのに時間をかけて、できたフィルムをシャーカステンという台の上に架けてみるのが普通でした。それから18年の間に驚くほど進化して、いまでは撮影するのとほぼ同時にパソコンの画面に綺麗な画像が現れます。デジタル技術の進歩は当院でも役に立っています。
今では犬の歯のレントゲン 写真も綺麗に撮ることができます。