超音波検査は「超音波」を使って体の中を見る検査。基本的に全身麻酔を必要とせず、痛みもなく、体の中の臓器の構造を確認できる便利な機械です。
レントゲン検査は全体像を捉えることが得意なのに対して、超音波検査は細かい部分を詳細に見ることが得意です。またレントゲン検査は「静止画」なのに対して超音波検査は「動画」として動きを見ることもできます。
超音波検査装置はこの20年くらいの間に劇的に進化を遂げた検査機械の一つです。20年前には超音波装置のない動物病院も多かったのですが、今ではほとんどの動物病院に一台あるのではないでしょうか。昔の装置は画像も荒く、液体貯留があるかどうかを判別できる程度のものもありましたが、今ではお腹の中の数mmのものを見つけることもできますし、腸の壁の構造を見つけたり、心臓の中の弁の動きを捉えたりすることもできます。これまで開腹するまで診断が難しかった膵臓の病変なども、無麻酔で行えるこの検査で見つけられることが増えました。
装置の進化とともに導入コストがかかるようになってしまったことと、検査をする人間の技量により検査にかかる時間も、検査から得られるデータも変わってしまうのがデメリットです。それでもこの装置を使わない日はないほど日々の診察には欠かせない検査です。