動物病院で行う検査・・・その6 皮膚検査 | 札幌市清田区の動物病院 すぎうらペットクリニック

動物病院で行う検査・・・その6 皮膚検査 | すぎうらペットクリニック

011-887-4880
アクセスマップを見る

36号線と滝野御陵線の交差点から御陵線を南西に200m

Informationいぬとねこのための情報

動物病院で行う検査・・・その6 皮膚検査

これからの季節、札幌近郊では雪がなくなると草が出てきたり、気温が上昇したりして、皮膚病を持っている犬にはちょっと嫌な季節がやってきます。

犬ではアトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎が多くみられます。そのほかに細菌による膿皮症、ダニやノミによる寄生虫性の皮膚病など、いろいろな皮膚病が冬より夏に多くみられます。

皮膚が「痒い」時には、何による痒みなのかをまずきちんと調べる必要があります。アレルギーはアトピーは簡単に診断する方法はないのですが、ダニやノミ、細菌や真菌と言った比較的診断しやすいものをきちんと検査して診断あるいは除外する必要があります。そうした際に行う検査として「皮膚テープストリップ検査」と「皮膚搔爬検査」があります。

テープストリップ検査は皮膚表面の検査を行うためのもので、皮膚表面の構造物を採取して顕微鏡で検査します。異常な細菌や真菌、炎症時に見られる細胞が採取されればまずそれらの治療を行い、皮膚病の改善の確認をします。

皮膚搔爬検査は皮膚の中の検査です。皮膚に潜り込む寄生虫を見つけるのが目的で、皮膚の「浅いところ」や「深いところ」を採取して顕微鏡で確認します。なかなか百発百中とはいかないため、何箇所もやったり複数回やったりして検出率を高める努力をしています。こちらも異常が見つかればまずはその治療を行います。

これらに異常が全くない場合、あるいは異常が見られた後治療しても痒みがなくならない場合、アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎を疑います。

アトピー性皮膚炎は先天的に皮膚の構造に問題があり皮膚が弱い状態で、遺伝すると言われています。その影響で一緒にアレルギー性皮膚炎を持っている子も結構います。アトピー性皮膚炎の特徴は「皮膚が悪くないときも痒い」こと。さらに皮膚がいろいろなものの影響を受けてすぐに赤くなったり腫れぼったくなってしまい、そのほかの痒みもおきやすくなってしまいます。

アレルギー性皮膚炎は特定の「何か」に反応して皮膚が痒くなってしまうもの。特にその中でも特定の食べ物に反応するのを「食物アレルギー」と呼んだりします。

食物アレルギー以外のアレルギーでは、ハウスダストや草、花粉などに対して起こるものが多く、原因がわかりづらい上にわかっても完全に避けることができない場合も多く、うまく皮膚のケアや場合によってお薬を使って痒みの少ない生活を送れるようにする必要があります。

食物アレルギーは特定の食べ物に反応することが多いので、うまく反応する食べ物を確認できればそれを避けることで症状を軽減することができます。そのためには「除去食試験」を行います。

除去食試験は、「理論的にその子に食事アレルギーを起こす可能性の低いもの」でできたフードを1ヶ月半〜2ヶ月程度与えて症状がなくなるかどうかを見るための検査です。この検査期間中は決められたフードと水以外のものは原則あげてはいけません。これで改善した場合、「食べ物を気をつけることで症状が改善する」ことが確認できたことになり、「食べても痒くならないフード」を見つけられれば日常の痒みをかなり軽減できます。

逆にきちんと除去食試験をしたのに症状の改善がないという場合、食事によるアレルギーではないということになるため、そこまでシビアに食事制限をする必要はないということになります。

皮膚病は血液検査のようにすぐに検査結果が出て目で見えるというようなものではないためわかりづらいかもしれませんが、系統立てて検査をすることでいろいろなことがわかります。皮膚の痒みを放っておくといろいろな痒みの原因が起こって複雑になってしまうので、早めに病院へ連れてきていただいて検査ができるといいなぁと思います。

 

いぬとねこのための情報一覧へ >