人のピンクリボンキャンペーンとかけて、猫のための「キャットリボン」という取り組みがされているようです。
猫の乳腺腫瘍に対するキャンペーンです。
猫では、犬と同様早期の不妊手術により乳腺腫瘍のリスクが減ることがわかっています。生後12ヶ月までに不妊手術をすると9割近く発生率を下げられることがわかっていますが、それを過ぎるとあまり効果がありません。それがわかっているため、当院にかかられている猫ちゃんには生後半年程度、初回発情が来る前に不妊手術をすることをお勧めしています。
ただ、残念なことにそれだけで乳腺腫瘍を完全に予防できるわけではありません。また、なんらかの理由でどうしても不妊手術が遅くなってしまうこともあるでしょう。そうしたときに、次に大切なのは「早期発見」すること。
猫の乳腺腫瘍は3cmを超えると転移している確率が高くなることがわかっています。3cmって結構大きいのですが、これがなかなか気付いてもらえない。特に毛の長い猫では外から見えるようになるのはもっと大きくなってからですし、家で身体中・・・特にお腹(胸から内股まで)を意識して触らないとなかなか小さなうちに発見というわけにはいかないのです。
そして、もし乳腺にしこりが見つかった場合は、乳腺腫瘍かどうかきちんと見極めて、そうであった場合は乳腺を広範囲に切除する必要があります。猫の乳腺は(犬もですが)脇の下から内股まで長く広がっています。ですからしこりがたとえごく小さくても、その乳腺を全て取らないと再発率は極めて高くなります(猫の乳腺腫瘍は小さくてもほぼ「乳癌」です)。なんらかの理由があって広範囲にとることができない(長時間の麻酔のリスクが高いなど)とか、既に転移していて広範囲にとる意味がない場合を除いて、少しでも完治する確率の高い方法で治療してあげましょう。
早期発見、早期「適切な」治療。覚えておいてくださいね。
詳しい説明や、発見するための体の触り方など、ためになることがたくさん書かれています。是非ご覧ください。