不妊手術は雄であれば去勢手術、雌であれば避妊手術などと呼ばれるもので、計画性のない繁殖を避けたり、発情周期に伴う行動変化やストレスを無くしたり、生殖器系疾患の予防・治療のために行われます。
今日は猫の不妊手術について考えてみましょう。
現在当院に来院する猫ちゃんでは、不妊手術をしていない猫ちゃんはほとんどいません。それは若いうちから当院に起こしいただいている子には不妊手術を強くおすすめしているからです。
不妊手術をするデメリットは少しありますが、それを上回るメリットが大きいからです。あとになって「不妊手術しておけばよかった!」となっても遅いからです。
猫の不妊手術のメリット
寿命は雄で62%、雌で39%伸びると言われている
ホルモンに関連した病気の予防になる:乳腺腫瘍、子宮蓄膿症、子宮水腫など
性ホルモンに関連する問題行動の抑制:スプレー行動、発情兆候、縄張り争いなど
これらは実際に起ってしまってからの不妊手術では改善しない場合もあるので注意!
猫の不妊手術のデメリット
全身麻酔が必要であること:手術前の評価をきちんとすることでリスクは最小限にできる
体重が増えやすくなること:フードの種類や量で管理することが可能
基本的には雄でも雌でも不妊手術によるデメリットはそれほど大きくないか回避が可能なものであり、メリットのほうが上回ると考えられます。
不妊手術の時期は、雌では初回発情の前(犬も猫もそれにより乳腺腫瘍の発生率がかなり抑制されるため)、雄では成長後なるべく早期にというのが理想的です。当院ではおよそ乳歯の生え変わりが終わる6ヶ月目あたりを目処におすすめするようにしています。家に迎えるのが3〜4ヶ月目だと、来て直ぐに手術と感じられる方も多いと思います。しかし乳腺腫瘍の発生率は発情回数が少ないほど低くなることがわかっており、悠長に考えている暇はありません。できれば家に迎える前から、不妊手術の必要性については考えておいていただきたいものです。