「がん」への心構え | 札幌市清田区の動物病院 すぎうらペットクリニック

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「がん」への心構え

17歳半のダックスフントのTちゃんが、最近食欲がないと来院した。

血液検査ではこれまでの17年と比べるとちょっとだけ貧血気味な程度で、大きな異常は見つからない。

食べているフードを変えたら食べるようになった・・・と思ったら、また食べが悪くなってきたとのこと。確かに恰幅の良かったTちゃんの体格は少し太めなくらいになっていた。

ちょっと貧血も気になっていたので、一通りの検査をさせていただいたところで、お腹の中と心臓にしこりが見つかった。どうやらこれが悪さをしてそう・・・そしてあまりいいものではなさそうだ。

そんな話をご家族にするのは辛いものですが、しないわけにも行かない。Tちゃんのいないところでご家族にはお話し、今後のことを説明させていただいた。

 

当院で悪性腫瘍の診断をした子、あるいは他で悪性腫瘍と診断されて不安になって来院される子達のご家族には、いつも最後に以下のような話をさせていただいている。

・診断された本人(本犬・本猫?)はそんな重大な病気であることはわかりません。それでも「家族が悲しんでいる」「落ち込んでいる」ということはわかって、不安な気持ちになったりストレスを感じたりします。

・ですから、できるだけ普段どおりに・・・あるいは普段よりちょっと明るく接してあげてください。

・治療にはいくつか選択肢がありますし、ちりょうしないというせんたくしもありますが、どれを選んだとしても「家族の選んだ方針が一番正しい」と思います。

・好きなところへ連れて行ってあげたり、一緒に触れ合ってあげたり、今のうちにたくさんしておいてあげてくださいね。

 

こんな話をしたあとに、「昔一緒に旅行したところを一緒に回ってきました」なんていうご家族もいたりすると、その子が如何に愛されているかわかりますよね。そうやって一緒に過ごしてあげることが一番だと思っています。

 

Tちゃんのご家族にもそういうお話をしてから、検査のためにお預かりしていたTちゃんをお返ししました。

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