今日の処置は9歳になるプードルのPちゃん。
Pちゃんは歯周病の治療で、口腔内の検査と歯周病ケアをするために来院。
これまでも2年に1回程度のペースで実施していますが、体重2kgの超小型犬ということもあってか歯周病の進行が早く、頻繁なケアを実施しています。
定期的に来院していて状況がわかっているPちゃんですが、今回の処置の際には残念ながら初めて抜歯が必要な歯が見つかりました。
見た目には特に違和感のない下顎の歯ですが、レントゲンを撮ってみると・・・
歯が途中で吸収されてしまっています。こうなった歯は近いうちに折れて根本が残って問題を起こすことがわかっているため、今回抜歯せざるを得ませんでした。とはいえこの段階であれば顎の骨に問題を起こす前に取り除くことができていますので、いいタイミングだったと言えます。
見えない部分はレントゲン検査をするといろいろなことがわかります。例えばPちゃんの奥歯。
歯の先端が顎の反対側の皮質骨まで達しています。こういう歯の根元が歯周病でだめになるとその周囲の顎の骨が溶けてしまい、ここから顎が骨折してしまいます。この歯、磨きにくいところにありますが頑張って歯磨きしてあげないと後々大変です。
口の中の処置に全身麻酔が必要なのですか?と聞かれることもありますが、じっくり口の中を診察・検査するだけでも犬や猫は大変なのです。そして、診察・検査なしに処置はできません(口の中に限らず、手術をする前にはその手術が必要かどうか診察や検査をしますよね)。歯を抜くのであればちゃんとした根拠が必要ですし、抜かないなら抜かない理由が必要です。単に歯石をとって見た目をきれいにするのとは違うのです。