さて、ここまでの皮膚の状態にもよりますが、基本的にはいくつかの検査を行います。検査を行い、疑わしいあるいはそこに存在している異常を治療し、それでも治らない部分はまた検査し・・・といった形で治療を行うため、時期をずらして何度か検査を行う場合もあります。
・皮膚表面の検査
皮膚表面の異常を見るために、皮膚の表面をテープで採取して顕微鏡で検査します。皮膚表面の構造が以上ではないか、異常な病原体がいないか、炎症を起こしていないかなどを確認することができます。
・毛の根元・皮膚のすぐ下の検査
毛を抜いて毛根を見たり、皮膚の表面を特殊な道具で少しだけ削ってみることで、皮膚の中に潜り込むダニなどの病原体の有無を確認します。
・その他特殊な検査
細菌感染が重度であったり、治療への反応が悪いときには細菌培養と抗生物質の感受性試験を行います。
皮膚糸状菌症が疑われる場合は、ウッド灯という特殊な光を当てて皮膚を観察したり、疑わしい部分の被毛を採取して「真菌培養」したり、最近は検査センターでPCR検査を行うことでも皮膚糸状菌の検出をすることができます。
皮膚だけの問題ではないことが考えられたり、経過が長かったり繰り返したりしている場合には、血液検査で全身状態の確認をすることもあります。
特殊な皮膚病が疑われたり、治療に対して考えているような反応が得られない場合には、皮膚生検を行います。皮膚を検査用の特殊な器具で直径5~8mm程度くり抜いてその構造を調べる検査です。免疫疾患や腫瘍性疾患を確定するために必要な検査です。皮膚を傷つけなければできない検査ですが、傷は小さく、局所麻酔をすることで痛みは最低限ですむことがほとんどです。