マダニ予防をお忘れなく! | 札幌市清田区の動物病院 すぎうらペットクリニック

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マダニ予防をお忘れなく!

マダニの吸血が活発になっています。

今月に入ってマダニに食いつかれてくる子が急増!
去年まで予防薬を投与していた子でも「今までつかなかったから油断していた」と予防薬を投与しないと早速マダニの餌食に・・・

20年以上前の開業当初、当院の周囲ではまだマダニ予防がメジャーではなかった頃には下手すると一日に何頭ものマダニをつけた子が来院していました。中には予防接種をしに来て身体検査をしたらマダニがついていた・・・とか、普段散歩にいかない近所の子が病院に来るために歩道を200mくらい歩いてきただけなのに来たときにはマダニがついていた・・・なんてことも(歩道脇の花壇の中にもいるようです・・・要注意)。

マダニ予防薬もどんどん新しく良いものが出てきて、投与していればほぼ100%ふせぐことができるようになってきたこと、予防をしてくれる方が増えてきたことで、気温が上がってマダニの発生が増えているにもかかわらず当院に来る患者さんではマダニがついてしまった・・・という子はだいぶ減りました。

その代わり、冒頭のように「マダニの存在を忘れてしまう」こともあるようで、時々つけ忘れたり、今年は予防どうしようかな・・・と迷っていたりするうちにマダニに食われて慌てて来院するということが時々あります。

マダニは卵から孵化した状態で雪の下の地面で越冬していて、雪が溶けると活動を開始します。血を吸って成長を繰り返し、秋に産卵してまた冬を迎えます。そしてその一生の間に3回も寄生して吸血をします

予防薬が普及したので10年くらい前と比べるとマダニをつけてくる子の数は減りましたが、予防していない子では依然としてつけてくることが多いです。以前は「山へ連れて行ったら」と言った子が多かったのに今は「近くの公園で」「草むらに入らないように気をつけていたのに・・・」という子にもマダニが付きます。きっと身近なところまでマダニが増えているのでしょう。

犬および外へ出る猫は、そろそろ予防薬の準備を始めましょう。当院では4/1頃の投薬をおすすめしていますが、家の周りに草むらが多かったり、日当たりが良くて雪解けが早かったりする場合はそれより早くつけたほうがいいかもしれません。

犬では飲み薬あるいはスポット剤(つける薬)で、猫ではスポット剤でほぼ確実にダニ予防ができます。人間は「肌を出さない」「帰宅したら体を隅々までチェック」といったアナログな方法しかありませんが、犬や猫ではずっと簡単・確実です。そのうち人間にもこういう薬ができればいいんですけどね。

恐ろしいのは犬(人も)について自宅に持ち帰ったダニは、室内で卵を生む事があることです。1匹のダニが産む卵は大量で、そこから万が一子ダニが生まれると室内に大量のダニが・・・生まれてすぐに吸血を始めるので、室内でマダニに噛まれる・・・なんて考えると恐ろしいですね。

マダニが恐ろしいのは、マダニ自身ではなくマダニからうつる感染症。札幌近郊ではダニ媒介性脳炎というウイルス疾患の発生が恐ろしいです。死亡率も高く、死亡しなくても重度の後遺症が残る厄介な病気です。犬でも同様の症状が出ると言われています。

またこのウイルスはマダニの体内で垂直感染(母ダニから子ダニへ感染が成立する)と言われており、生まれたばかりの子ダニもウイルス疾患をすでに持っています。

万が一マダニが寄生しているのを発見したら、下手に触ったり引っ張ったりせずにそのまま病院にお連れください。早期にきちんと対処できれば最小限の傷で取り除くことができます。

 

予防できる病気はきちんと予防しましょう。

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