猫の歯の病気:歯肉口内炎 | 札幌市清田区の動物病院 すぎうらペットクリニック

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猫の歯の病気:歯肉口内炎

もう一つの猫の歯の病気は「歯肉口内炎」です。

これも口の中を見てみないとなかなかわからない病気ですが、「吸収病巣」よりは目立つし、臭いや痛みはずっと強いです。痛くて口を開けさせてくれないため見づらいということはありますが、唇を少しめくっただけでも病変部を確認することができます。

この病気では口の中の一部ではなく「歯に沿って口全体に」赤みが広がります。特に奥歯の付近がひどくなることも多く、赤く腫れたところを自分で噛んでしまって悪化する・・・ということもあります。

歯と顎の骨の間の「歯根膜」というところが原因になっていることはわかっていますが、「なぜそこが炎症を起こしているのか」についてはっきりした事はわかっていません。

痛くて食事が取れないので痩せてきたり、口臭が強くなったりして病院に来ることが多いです。

 

きちんと治療をするにはこの歯根膜を取り除く必要があり、そのためには「全部抜歯する」必要があります。全身麻酔や抜歯ができない場合は消炎鎮痛剤や痛み止め、インターフェロンなどで治療される場合もありますが、あくまで対症療法でしかありません。一時的に症状は軽快しますが、ずっと治療を継続しないといけないし、治療を継続していても徐々に進行してしまいます。

歯肉口内炎は若いうちからなることも多いのですが、「麻酔が心配だから」「歯を抜くのは可愛そう」といった理由で消極的な治療を続けていた結果、歯と顎の骨が癒着(アンキローシス)して抜歯が困難になったり、痛みから食欲が低下してガリガリに痩せてしまったりしてから結局全身麻酔や抜歯をしなければならない状態になって当院に来院する子もいます。

適切な治療を行うことで、歯は失ったとしても、痛くなく、健康的な生活を送ることができるようになることがほとんどです。「なんとなく麻酔が心配で・・・」という漠然とした理由で苦痛を長引かせる意味はありません。

口の臭いが気になったら、できればちょっと口の中を覗いてみてください。
気づいていないだけで、愛猫は痛みを感じているかもしれません。人間なんて一つ口内炎があるだけで苦痛ですしものが美味しく感じられないですよね。口の中全体が炎症を起こすこの病気は、猫にとっても耐え難いものなのではないでしょうか。

もし「様子がおかしいけど口の中は見せてくれない」という猫ちゃんの場合でも、当院にお連れいただければ口腔内の診察をさせていただきます(猫ちゃんの性格によって、一度にできる範囲に制限がある場合もありますが、その場合も相談に応じます)。

美味しくご飯を食べてほしいですよね(^^)

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