歯科診療 | 札幌市清田区の動物病院 すぎうらペットクリニック

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歯科診療

犬や猫の歯科治療の最大の難点は、「歯が悪くなっているのになかなかご家族に気づいてもらえない」ことです。

まず、「口の中を見る」という習慣がない場合がとても多いです。人間であれば(多分ほとんどの人が)1日1回程度は歯磨きのために口の中を見て、歯ブラシを当ててみて・・・ということをしています。その段階で違和感や異常を見つけたり気づいたりすることが多いのではないでしょうか。

 

また、「ものを噛むときに痛い」とか、「冷たいものがしみる」といったことも(すぐ歯医者に行くかどうかは別として)気づくことができます。

しかし犬や猫の場合、暑いものや冷たいものを食べる機会が少なく、また多少染みることがあったとしても「食べるのに時間がかかる」あるいは「食べない→好きじゃない」と認識されることがほとんどで、「食べるときに違和感がある」と気づいてもらえることはまずありません。

歯磨きをする習慣があるご家族が「歯が汚れている」「歯茎が腫れている」として連れてきてくださることも増えてきてはいますが、まかなか奥歯や歯の裏側まで見ることができることは少なく、病院での健診の際にはじめて異常が見つかることもあります(性格によっては病院でも口の中を見てあげることが難しいこともあります)。

「臭いが耐え難い」とか、「食べ方がおかしい」とか、「血が滲んでいる」という症状が見られたときはほとんどが末期の歯周病になってしまっています。この場合悪いところを取り去るための「抜歯」以外の選択肢がほとんどなくなってしまっているのが現状です。

当院ではなんとかそうした状況を改善し、犬や猫が自分の歯で健康に食事ができるようにしてあげたいと考えています。そのために必要なことは「口の中を見て異常に気づいてあげる」「歯磨きをして適切に管理をしてあげる」ことに尽きます。

口の中に違和感が出てからでは見たり触ったりするのを嫌がるようになってしまいますから、できるだけ若くて健康なうちから口の中を触る・見る習慣をつけてあげてください。また、ぜひ悪くならないうちに歯科健診を受けてください。

当院ではワクチン時の身体検査あるいは誕生日健診の機会ごとにその子その子にできる範囲で口腔内の健診をさせていただき、問題がある場合はお伝えするようにしています。

また少しでも口の中の状態を把握し、興味を持っていただくために、1歳までの犬の去勢手術・避妊手術の際には無料(2023年8月時点)で口腔内のレントゲン撮影をさせていただき、健康な時のデータとして保管させていただいています(1歳を過ぎた場合はご希望があれば有料で実施しています)。

若くて見た目に異常のない口の中でも、生えてこなければならない歯が生えないままになっていたり、乳歯折れて根元が残っていたりといったことはよくあります。そうした異常があれば大きな問題を起こす前に適切に処置をしてあげることが可能です。

 

口の中の環境をよく保つことで健康寿命が延びることがわかっています。人間では「8020運動」といって、80歳で20本の歯を残すことを目指す(それによって健康寿命が伸び、結果的に医療費負担が少なくなることがわかっている)活動があります(人間の永久歯は親知らずの有無によって28~32本)。それに当てはめると犬では「1628」・・・16歳で28本の歯を残すことを目標にすることになります(成犬の永久歯は42本)。

「家で歯磨きは無理」という子でも、年に1回きちんとした健診と処置(全身麻酔が必要)を行えば十分可能な目標ですし、実際そうすることで犬の健康寿命が延びるというデータもあります。

口の異常を「気づかないふりをする」のではなく、積極的に気づいてあげるようにできるといいですね。

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