人間では血圧測定は一般的な健康管理の手段として家庭でも行われます。
近年犬や猫でも、健康状態評価のために血圧測定が非常に重要であることがわかってきています。
・心臓疾患では高血圧により心臓・血管系のリスクが高くなる可能性があります。
・腎疾患では高血圧により腎臓への負担が増します。また腎疾患により高血圧が起こることもあります。
・心臓や腎臓の問題がなくても高血圧が存在することがあります。
犬や猫でも人間と同様病院に行くと緊張したり興奮したりして血圧が高くなることがわかっています。しかしそうした緊張下でも収縮期血圧が160mmHgを超えることはほとんどないと言われています。一度だけの測定では信頼できませんが、日にちをずらして何度か測定することでその子の本来の血圧がわかる場合もあります。
人間の血圧は家庭で測定した場合と診察室で測定した場合とそれぞれ基準値が決められてます。
当院では動物用の血圧測定装置を使って測定しています。
高血圧が判明した患者さんではご自宅での測定が可能な場合もあり、自宅に機械を用意して毎日測定してくださる方もいらっしゃいます。そうではなくても、来院都度血圧を測定していると、高いか低いかだけでなく「以前より高くなってきた」「治療により下がってきている」といったことも確認することができます。
昔犬や猫の寿命が短かった時代には、高血圧が犬や猫に及ぼす影響はあまりわかっていませんでしたが、今では健康で長生きするためにはきちんと血圧の管理をした方が良いことがわかってきました。機会があればはかってみることをお勧めします。