体の表面の大きな肥満細胞腫の手術を終えた子が退院して、傷のチェックに来院。経過は順調で傷の治りも良好です。
「知り合いがたくさん体にいいものをくれたのですがあげてもいいでしょうか」
持ってきてくれたのは色々なサプリメントや漢方っぽいもの。一通り確認して体に悪いものはなさそうだと判断して一つ一つご説明させていただきます。
病院に持ち込まれる相談には色々なものがあり、こうした市販品をあげてもいいかどうかというのもその一つ。持ち込まれたものが医薬品であればある程度見ただけでわか流ことも多いのですが、そうではないものは一つ一つそのパッケージを確かめたり、場合によっては販売元のHPを確認したりして中の成分を調べる必要があります。そうしていると、こうした市販のものの中には色々なものがあることがわかります。
・「体にいい」と書いてあるが、なんの成分がどういいのかが書いてないもの。
・そもそもどの成分がどのくらい入っているのかが全く書いてないもの。
・「うちの子はこれで⚪︎×が良くなりました」みたいなホントかどうかわからない体験談
・「天然」とか「ナチュラル」といった謳い文句
・「奇跡の治療薬」「保証された効果」「他のみんなは知っています」「大手製薬会社が知られたくない治療法」などと煽る文言
こういうのって、冷静に見たらどう考えても怪しいのですが、これ信じて買う人がいるから売っているんでしょうね・・・ちゃんとした治療を受けるには費用がかかりすぎるから・・・とこういうものに走ってしまう人がいますが、それを何種類も与えるくらいならきちんと治療をしたほうがいいのにと思ってしまいます。
「漢方」薬っぽい名前をつけたり、漢方の成分ですと書いてあったりするのにただのサプリメントだったりするものもありました。そもそもきちんとした漢方は漢方薬の使用に精通した獣医師の診断・治療が必要なもので、ペットショップやネット通販で買えるものはその程度のものということなのでしょう。
サプリメントといっても安いものではないことが多いため、心配なことはわかりますが冷静に考えてあげるようにできるといいですね。