当院における口腔内診察・治療・・・その3 | 札幌市清田区の動物病院 すぎうらペットクリニック

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当院における口腔内診察・治療・・・その3

治療が必要な歯を放っておくとどうなるか・・・

人間から見て痛みの程度はなかなかわからず、普通にご飯も食べているからとなかなか治療に踏み切れないこともあります。
臭いはまあしょうがないから・・・という感じでしょうか。

口の中の状態が悪くなると歯肉炎や動揺した歯で触られるのを嫌がるし、そもそもそれまで歯磨きができなかったからそうなっていることが多いので、急に口を触らせるようには・・・なりません。根気よくやっているとある程度やらせてくれるようになる子もいますが、歯石を取ったり、溶けた顎の骨を治したりということはできません。

一部の歯(根元が細い歯や根元が折れた歯)が抜けることもあります。抜けた穴が運良くある程度浅く埋まってくれれば大きく問題にならないこともありますが、歯が抜けた穴はあの後骨が露出した状態になっているので、その部分で細菌感染を起こすと厄介です。

また根元が太かったり根元が2〜3本に分かれている歯は簡単には抜けないため、グラグラしたまま時間が経つと根元の顎の骨がどんどん溶けていき、周囲の歯にも問題が出ます。

この状態は、口の中で大量の細菌を飼っているのと同じことです。便の中よりたくさんの細菌が住んでいると言われています。

そして、この口の中の細菌を常に飲みこんだり、歯茎から体内に細菌が入り込んだりすることで、いろいろな病気のリスクが高くなります。胃腸炎や気管支炎、椎間板炎、ひどい場合は肺炎や心内膜炎を起こして救命できないこともあります。

それを防ぐためには、口腔内環境をいい状態に保つこと。そして高齢期にこまめに口を手入れして口の中で細菌が増えないようにすることが大切です。

本来の犬や猫の口の中は臭くありません。

臭いのは、細菌が増殖して口腔内の環境が悪くなっているからです。悪臭が強ければ強いほど細菌が多いということになります。

 

「元気だから」「食べているから」と臭いに目をつぶって放置しないようにしてください。

高齢になって、ひどくなって、いろいろな症状が出てからではもう間に合わないのです。

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