子猫の成長は早く、家に来てちょっと様子を見ている間に、人間の数年分の成長をしてしまいます。人間の子供が成長段階に合わせて健康診断や予防注射、精神的・身体的な成長のためにいろいろな経験をしていくのと同様に、子猫の成長にも健康診断や予防注射、いろいろな経験が必要です。しかも人間の成長が15年くらいかかるのに、猫ではそれをたった数ヶ月でしてしまうのです。
ですから、子猫が家に来る前に知っておいていただきたいことがあります。あるいは、子猫をすでに迎えたご家族の場合は今すぐに知っていただかなければなりません。
子猫の成長期に必要なものとして、
① 生後16週をすぎるまでの混合ワクチンプログラム
② 生後3ヶ月程度までの社会化プログラム
③ 成長段階に合わせた健診
④ 不妊手術
といったものがあります。またこの他に何かしらの疾患を持っていた場合にはその治療も行わなければなりません。
今は猫を家族に迎えるとき、それが子猫であれば保護団体やペットショップからという方が多いです。そういう場合、家に子猫が来た時点で3ヶ月齢くらいのことが多いでしょう。
健康な子猫は、活動的で好奇心旺盛なことが多いです。毎日ご飯きちんと食べて日々体重が増えていくことが普通です。まずこの段階で気になることがあれば様子を見ないで購入されたペットショップ、あるいは動物病院に相談しましょう。時々見られる問題としては、下痢をしている、くしゃみや鼻水が出る、目やにが出る、食欲がない、体重が増えない・・・などといったものです。これらは子猫の場合数日様子を見ただけで悪化していってしまう場合もあります。
ご自宅に来て心配な状態がなければ、1週間ほどで病院につれていきましょう。当院の場合、まずはお話を聞いてから一通り身体検査をして異常がないか確認し、必要に応じて生活環境や食事の内容や回数、その他に必要なご提案ができるようであればさせていただきます。お誕生日から最適なワクチンプログラムのご提案もさせていただきます。
ワクチンが全部きちんと終わると、そこから1〜2ヶ月で歯の生え変わりがあります。きちんと必要な歯が生えてきているか、乳歯が抜けきってるかのチェックをし、乳歯が生え変わったら次はそろそろ不妊手術を考えて・・・となります。ご自宅に来てからここまで4ヶ月程度の間に、かなりいろいろなことをしなければなりません。
子猫が環境や人、その他様々なものに慣れやすい「社会化期」に適切な社会化ができるかどうかで、その子の猫生を豊かにできるかどうかがほぼ決まります。最適な社会化期は生後3〜4ヶ月までと短く、その時期に様々な経験をさせてあげたいのですが、「まだ家に来たばかりだから」「まだワクチンが終わってないから」といった理由でその時期を過ごしてしまう子も多くいます。そうならないためには、お家に来た時からどうしていくかの計画を立てておいて上げる必要があります。
また、すでに子猫を家に迎え入れて、これからどうしようかなぁと思っている方がここを見ていたら、できるだけ早くまずは病院に相談をしてください。数週間様子を見ただけで、子猫に必要なことが遅くなるだけでなく時期が悪くてできなくなってしまうこともあります。
子猫のいる生活は楽しいですが、忙しい部分もあります。それも含めて楽しんであげてください。当院では、猫ちゃんの健康をご家族と一緒に考えていくためのいろいろな情報提供も行っています。子猫を迎えたら是非当院にご相談ください。