猫では一般的に半年ほど、大型猫では1年ほどすると成猫の体格になります。骨格の成長は終わり、体重の増えも止まります。
不妊手術を終えると成長過程で行う一通りの予防や健診は終了しますが、当院ではその後も1ヶ月に一回程度の通院による定期健診をおすすめしています。
猫は普段家から出ることが少ないので、いちばん大切なことは病院へのお出かけに慣らすことです。この年齢の猫ではまだ病気が少ないので、病院に連れて行って診察台に出して病院スタッフに触られるということに慣らすことに時間をかけることができます。お出かけで緊張してしまう場合や家族以外に触られるのが苦手な猫の場合は、ご自宅であげると喜ぶおやつがあればお持ちいただき、診察台の上であげてもらうなどしてできるだけなれるための練習をします。
診察台に上がったり触られたりすることがそれほどストレスでなければ、1〜2ヶ月に一度の健診では気になるところがないかどうかの問診や頭の天辺から尻尾の先までの身体検査を実施し、気になる所があればご説明して検査や治療を行います。この際に爪切りや耳掃除も一緒に実施します(当院では身体検査の料金にこれらの処置が含まれています・・・治療が必要な場合は別途費用がかかります)。
猫では定期的にトリミングに行くということが少ないので、爪切りや耳掃除をする機会があまりありません。ご自宅でできる場合はいいですが、そうじゃないと気づいたら爪が伸びすぎていたり、耳の中が汚れていたりといったことが起こります。また体重の変化は見た目ではなかなか気付けないため、1ヶ月に1回は健診も兼ねて行うようにしましょう。
長毛種では被毛の状態のチェックも必要です。ご自宅でブラッシングができないと毛玉ができてしまう子もいます。身体検査の際に毛玉があれば、部分的にであればそのときに取り除くことも可能です。
健診の際には、ご自宅で気になることを何でもご相談ください。気になる仕草があればスマートホンで撮影してお持ちいただくなどして見せていただけるとわかりやすいです。
フードは毎日のケアで健康を維持するためのものなので、ネットの広告や情報に惑わされずにご相談いただければ、選び方からその子に最適なものまでご提案いたします。当院でご購入されている場合は相談料は無料です。
1歳になったら混合ワクチンの追加接種を行います。当院ではWSAVAのワクチネーションガイドラインに従い、3種混合ワクチン3種混合ワクチンはコアワクチンとして1歳以降は3年に1回接種します。詳しいワクチンプログラムをおしりになりたい場合はご連絡ください。
その他、この数年は北海道でも猫のフィラリア症が報告されるようになってきています。猫のフィラリア症は猫の突然死の原因となるため、当院でも予防をおすすめしています。
また、年に1回は血液検査や画像検査といった全身の詳細な検査をおすすめします。これによりその子その子の健康なときの体のデータを蓄積して、早期の異常発見につなげることが可能です。また見た目ではわからない様々な病気を症状が出ない段階で見つけることができることも多くあります。1年という時間は猫では人間の4年分の時間の進み方と言われています。当院ではその子の誕生日に健診をプレゼントする「誕生日健診」プログラムを用意してご案内しています。
人間が定期的な健診をしながら過ごすように、猫でも定期的に健診して健康を維持していくことで、健康寿命を伸ばすことができます。病気になってから「気をつけておけばよかった」というのは一昔前の考え方。病気にならない体作り、病気が進行する前の病気の発見など、健康のためにできることがあります。是非当院にご相談ください。