科学的な治療 | 札幌市清田区の動物病院 すぎうらペットクリニック

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科学的な治療

本日来院したプードルのRちゃん。

Rちゃんはとっても元気だったのですが、以前から心臓に雑音が聴取され、検査や治療をおすすめしていました。
ただ、小型犬に見られる心臓病では見た目に無症状な期間が長く、病院での身体検査以外にはっきりした症状が見られないことが多くあります。逆に見た目にはっきり症状が現れた時にはかなり末期的な状態であると言えます。

Rちゃんは年1回位ご家族が心配になって病院に連れてきくれ、その時にご説明するとお薬を飲ませることになり、しかし数ヶ月するとお薬をとりにいらっしゃらない・・・ということを繰り返していました。そんなRちゃんが久しぶりに来院。どうやらあまり調子が悪くないようです。

どうされたのかとお話を聞くと、お知り合いに「薬なんてやるものではない」「心臓の病気に良いドッグフードがある」といった話を聞いて、オーガニックのハーブを使った?ドッグフードやサプリメントを勧められて試していたということでした。「体の中から薬を抜くためのサプリメント」というものもあるらしく(薬は基本的に投与をやめれば自然に体から出ていきますが・・・)、そうしたものを使った「心臓の治療」の話を聞いたとか??

こうした相談を受けることは実は比較的多く、いろいろな病気の犬や猫に対して非科学的なものがなんて多いのかと驚かされます。そして「薬を使った治療」よりも「なんとなく体に良さそうないろいろなもの」が多くのご家族の興味を強く惹くものなのだということも・・・。

確かに、科学では説明できない不思議なことが起こることがあることは否定しませんが、こと病気の治療に関しては様々な科学的な蓄積のもとに、検査や治療が組み立てられています。これは人間の医療でも、犬や猫の医療でも同じことです。

もしそうした非科学的なものが病気にいいのであれば、人間の病気でも取り上げられて成果をあげているはずです。人間でそうしたことがないのに犬や猫にだけ非科学的な減少が起こるはずがありません。

うわさ話やネットの情報を鵜呑みにせず、もし動物病院で勧められた治療に納得がいかなかったり他のものに興味がわいた時は、いろいろ試す前にまずはご相談下さい。現状がどうなのか、治療を進めるとどうなるのか、今後の見通しなど、「今」だけでなくその子の一生を考えて治療を組み立てるべきです。
どのような治療を選ばれても構わないのですが、比較的病状が安定している時に治療をしなかったり非科学的なことをしていると、いよいよ病状が進行した時には適切な治療が手遅れになってしまうことをご理解いただきたいのです。進行した病気の治療には限界があります。そうならないように病状が安定している時から治療を行っておく必要があるのはどんな病気でも同じことです。

獣医師が対価を頂いて行っている検査や治療には、それなりに責任をもってあたっているつもりです。
口コミや噂、周りに勧められたものがそうした責任を伴ったものなのであれば構いません。最後までその子の一生に責任をもってもらえばいいと思います。

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