「麻酔をすると寿命が縮む」とか、「何度も麻酔をするのは危険」と思っている方が多いようです。もちろん必要ないのに麻酔をかける必要は全くありませんが、犬や猫にとって負担の大きな処置をするのに時には麻酔をしたほうが安全なこともあります。
例えば、人間のように「じっと我慢する」事ができない犬や猫では、小さな皮膚のしこりを取るだけでも「暴れるのを押さえつけて切り取る」のと「麻酔で痛みを感じず切り取る」のでは、処置自体のストレスもそうですが「病院に対する恐怖」「体に触れる恐怖」といった眼に見えない形での負担も大きく違います。
イマドキ、こんな処置を受けたくはないですよね??これじゃあ歯医者が嫌いになっても仕方ありません。
とは言え、体の状態によっては麻酔の危険が高い場合もあります。きちんと全身の検査をして異常がないことを確認すること、異常があればそれに合わせて治療をしたり考慮した麻酔にしたりすることなどにより出来るだけ危険を減らすようにすることができます。元気で健康に見えても麻酔に対して問題となるような異常が見つかる場合もありますし、他の病気が見つかって予定を変更する必要がある場合もあります。
様々な処置が必要な場合、「麻酔をしない」という選択はもちろんありえますが、それによって今後起こることまで考えたうえで選択する必要があります。先延ばしにするだけで結局時間がたってより不利な条件で処置をしなければならなくなるのであれば、意味がありません。