冬季のこの時期には、人間ドックを模した検診を実施しています。身体検査、尿検査、血液検査、レントゲン検査、超音波検査と、それらにその子その子に合わせた必要な検査を合わせて一度に検査をします。朝ごはんを抜いてきていただき、２時間ほどのお預かりで一通りの検査データを収集します。
元気に毎日過ごしていたマルチーズのDちゃんは、健診で脾臓の大きなしこりが見つかりました。脾臓は痛みを感じる臓器ではありませんので、大きくなってもなかなか症状には現れません。お腹の中で破裂したり、悪いものであれば他の部位に転移して初めて症状が出るということもあります。早く見つかればそうした問題を起こす前に手術で取り除き、そのしこりが何なのかを検査することもできます。Dちゃんは無事に手術を終えて元気に退院しました。
シーズー犬のKちゃんは、検査で膀胱に結石が見つかりました。膀胱の結石は場合によっては膀胱炎による血尿や頻尿、尿路の閉塞によって発見されますが、そうした症状を示さず（もしくは軽度に示していても気付かず）にいると、やはり問題を起こすまで発見されないこともあります。結石の原因は体質の他に食事内容などによることも多く、場合によっては食事の変更で結石が溶けて無くなることもあります。溶けない場合には手術で膀胱の結石を取り出す必要があります。Kちゃんはまず食事を変更、次回の検査で結石が無くなっているといいのですが。
健診は「健康を確認する」ものであると同時に「異常を早く見つける」ためのものでもあります。「病気が見つかると怖いから検診したくない」という人もいますが、やはり早期発見・早期治療が一番です。
