よくお電話でお問い合わせをいただくことの中に、「他の病院で検査をしてもらったがよくわからないので受診したい」とか、「現在治療中だが変わらないのでみてほしい」といったことがあります。
病気や体調は一度の検査や治療で診断がつくことは少なく、時間の経過やお薬への反応なども診断・治療のための大切な情報です。ですから、一度病院へ行って変わらないからと直ぐに病院を変えずに、「変わらなかった」「少しは良くなった」などという情報を持って再度診察を受けられることをおすすめします。
また、診断が正しくても一度の治療ですぐに治る病気はそれほど多くありません。治療に反応するまでに時間のかかることも多いものです。
「血液検査で何かの値が高いと言われたのですが」と言われる場合もあります。血液検査と言っても、その時の状況や獣医師の考えによっていろいろな項目の検査を組み合わせて実施するのが普通ですし、どの数値がどのくらい高かったのかがわからなければ意味がありません。血液検査の結果は通常紙に書いたり印刷したりしたものをもらえることが多いので、きちんと時系列で取っておくことをおすすめします。
せっかくいろいろな検査をしていても、病院を変えたらまた一から検査が必要になってしまう場合もあります。時間も費用も、犬や猫に掛かる負担も増えるばかりですから、健康診断はこの病院、病気はこの病院・・・といったように使い分けるのもあまりおすすめしません。
当院のある地域は休診日に周囲の病院と協力しあってできるだけ受信している方に不便がないように「清田区協力病院会」というのをやっています。そのため「いつも行っている病院が休みだから」という理由での受診も多いのですが、こうした場合には「これまでにかかった病気」「現在かかっている病気」「その病気と診断してからこれまでの治療経過」「検査結果」「お薬」などがわからないと、一から全部検査をする必要があり、費用も時間もかかってしまいます。慢性疾患等で普段からお薬を飲んでいる場合は「どんなクスリをどの量で」使っているのかや、血液検査などの検査結果をきちんと教えてもらって記録として取っておくことをおすすめします。
病気になる前の元気なうちに、ご家族やワンちゃん・ネコちゃんと相性のいい病院を見つけておくことをおすすめします。