病院で病気の治療や管理のためにフードをおすすめすることがあります。
「処方食」と言われる、病院で診察をした上で適切なフードを選択するタイプのフードです。
通常の市販のフードより価格は高く、プレミアムフードと同程度の値段ですが、それなりに研究された成分組成と原材料でできていて、時にはお薬よりも重要な場合もあります。
ただ、この処方食は病状に合わせて調整する必要があるものです。例えば最初に病気を診断してフードを変更した場合でも、では変更してからだがどうそれで変わっているのか、病気に対してうまく働いているのかと言ったチェックをし、体調や状態が変われば食事を変更する場合もあります。
こうしたフードは原則動物病院でしか販売していないため、病院に犬や猫を連れて行かなくても食事を購入しに来ていただいた際に様子を伺ったり相談を受けたりして、問題がないかどうかを定期的にチェックすることがある程度できます。またそれに必要な問診・処方料がフード代に含まれています。
しかし最近は、ホームセンターやインターネットでこうしたフードが購入できるようになってしまったため、1年ぶりに来院された方が「以前のフードをずっと食べています」と言って本当は定期的なチェックをしながら3ヶ月しか食べてはいけない食事をずっと続けていた・・・なんてことが起きたりします。それで体調を崩したり、もともとの病気の治療がうまく行っていなかったり・・・なんてことが起こるとせっかく良かれと思って続けていたことが無駄になったり場合によっては害になってしまったりします。
病院としても、必要と思うものを診察の上お出ししているのに、購入していただけないのであればお出しするメリットがあまりありません。中には「ホームセンターの売上に協力するような食事指導はもうやめて、どんな病気に対しても薬を使うようにしている」という極端な話も聞きます。食事指導でお薬が減らせたりやめられたりする場合もあるのに残念です。
便利な世の中ですが、病院との信頼関係や体に負担の少ない病気の治療のために、病院でおすすめしたフードは病院でお買い求めいただきたいと思っています。
「重くて持って帰るのが大変」などといった方のためには、お電話やメールでご注文いただきご自宅まで宅配便でとおどけするサービス(当院にかかられている方には送料無料)や、特定の条件を満たすとフードを割引で購入できるサービスも行っていますので、当院で食事指導をお受けになられた方はぜひ当院でお買い求め下さい。
よろしくお願いします。