先日来院したコッカースパニエルのSちゃん。
3年前に乳腺腫瘍の手術をしたそうで、お腹にまたしこりができたということでの来院でした。初めてのご来院でしたが、お腹を触ってびっくり!!6cmほどの巨大なしこりがお腹にくっついていました。
6cm・・・大きめの卵くらいの大きさですが、10kgくらいの犬でこの大きさ。人間に換算したら数十センチのものをぶら下げているのと同じくらいのインパクトです。
2年ほど前に他の病院に相談したことがあったようですが、きちんとした病気や手術についての説明を受けることができなかったようです。それから2年が経過し、かなり大きく厄介になってしまっている印象でした。
Sちゃんはこの部位が熱を持っていて触ると嫌そうにしており、血液検査でも炎症反応が強く起こっていました。これ以外は元気なSちゃんのためには、やはり手術で取るしかないようです。ご家族と相談の上、手術前の詳しい検査を受けていただくことになりました。
乳腺腫瘍の手術はしこりがどの部位にいくつあるかによって手術の方法が大きくかわります。今回のSちゃんも、前回の手術の際に一度に取りきれないしこりの説明を受けていたようですが、残ったものに対してどうするという説明がご家族の記憶には残っていないようで、ちゃんと説明を受けたかどうかも定かではありませんでした。そのためその後別の病院を受診して適切ではない指示を受けないまま時間が経過してより困った状態になってしまっていました。
手術や処置の際にはできるだけわかりやすくご説明をさせていただいているつもりですが、伝わりにくい部分を繰り返しご説明したり、わかりやすくまとめて記録としてお渡ししておく必要があると感じました。
病院を受診する際には、わからないことをわからないままにしないように獣医師や看護師に確認してみてください。きちんと情報が共有されないままでは、一番かわいそうなのは患者である犬や猫です。できるだけ(その時だけではなく、生涯を通して)負担が少ない治療を受けさせてあげたいですね。